FX詐欺被害にあったらどこに相談したら良い?おすすめの相談先6つを紹介

FX(Foreign Exchange)とは「外国為替証拠金取引」のことを指します。外国通貨を売買したときに発生する差額によって利益が出るようにねらう取引のことです。

FX取引自体は何ら違法なものではありませんが、中には海外FX取引に見せかけて預かったお金を騙し取るというような、FX詐欺も横行しております。

それでは、FX詐欺の被害に遭った場合には、どこに相談すればよいのでしょうか。

この記事では、FX詐欺などの投資詐欺に遭った場合に相談することができる窓口と、利用する場合のメリットやデメリットについて解説していきます。

■この記事でわかること

・FX詐欺の被害に遭った場合に相談できる6つの相談窓口がわかる

・FX詐欺の被害に遭わないようにするための5つの予防策がわかる

・FX詐欺で騙し取られたお金を取り戻したい場合には弁護士に依頼すべきことがわかる

FX詐欺被害にあったらどこに相談したら良い?おすすめの相談先6つを紹介

 

FX詐欺の被害に遭った場合には、どこの窓口に相談すればよいのでしょうか。

そのような場合にはお一人で悩まず、まずは政府が設置している相談窓口などを頼りにするべきでしょう。ここではFX詐欺の被害について、相談できる6つの公的機関・相談先について紹介していきます。

金融庁・金融サービス利用者相談室|アドバイスをもらいたい人向け

FX詐欺の被害に遭った場合、金融庁が設置している「金融サービス利用者相談室」に相談することができます。

この相談室は、金融サービスを利用する人の利便性を向上させるために情報収集を行い、金融行政に有効活用することを目指しています。

投資詐欺についても情報収集をしているほか、専門の相談員(金融サービス相談員)に対して質問・相談することができます。この相談員は、問題点を整理するために相談者に助言を行ったり、業界団体が開設している紛争解決機関の紹介を行ってくれたりします。

相談の実例として、投資商品・証券会社に関するものや、暗号資産(仮想通貨)・詐欺的な投資勧誘に関する相談への対応を行っています。

ただし相談者と金融機関との間で発生してる個別のトラブルについては、あっせんや仲介、調停などを行ってはくれません

したがって、あくまで他機関の紹介や論点整理など第三者機関によるアドバイスをもらいたい人向けの相談窓口となっています。

消費者庁・消費生活センター|若者の相談にもじっくり乗ってくれる

消費生活センターは、契約や悪質商法におけるトラブル、製品・食品・サービスによる事故などに関して、消費者が専門の相談員に相談することができる窓口です。

消費生活センターは消費者庁が設置している公的機関になります。

また、「188」をダイヤルすることで消費者ホットラインにつながり、最寄の消費生活センターなどの消費生活相談窓口を案内してもらえます。

相談窓口が土日祝日などで閉まっている場合であっても、国民生活センターで相談が補完されているため、原則として毎日(年末年始を除く)相談のために利用することが可能です。

消費者生活センターは国民生活センターと連携しており、国民生活センター紛争解決委員会は重要消費者紛争については和解の仲介や仲裁を行っています

未公開株、社債、外国通貨、事業への投資話などが高齢者の間で多く発生しているということを消費生活センターはホームページ上で公表しています。

また、近年は若者に対する詐欺的な投資勧誘や暗号資産トラブルにも警鐘を鳴らしており、若者の相談についても相談員が適切にサポートしてくれる可能性が高いです。

FX詐欺の被害についても消費生活センターに電話相談することができます。

ただし、必ずしもすべての相談について和解や仲裁を行ってくれるわけではないという点には注意が必要です。

証券・金融商品あっせん相談センター|専門の相談員がいる

「証券・金融商品あっせん相談センター」は、略称として「FINMAC(フィンマック)」とも呼ばれています。

これは金融商品取引法に基づいて設置されている指定紛争解決機関(金融ADR機関)であり、金融庁や法務省から指定・認証を受けて設置されています。

証券・金融商品あっせん相談センターは、FX取引をはじめ株式や投資信託など投資・金融トラブルについて相談や苦情を受け付け、公正・中立な立場で解決することを目指しています。

基本的には、専門の相談員に対して電話でトラブルを相談することができ、相談委員が事業者に内容を伝えて調査を依頼することになります。そして事業者または相談員が顧客に対して調査結果を報告するという解決の流れとなります。

金融商品取引業者と顧客との間のトラブルが解決しない場合には、弁護士がつとめるあっせん委員によるあっせん制度(紛争解決業務)を利用することもできます。

裁判手続きでは1年以上解決にかかることも多いですが、あっせん制度ではなるべく4カ月以内での解決を目指します。

またあっせん制度は裁判とは異なり非公開で行われ、あっせん委員や職員も法律に基づき守秘義務が課せられています。

ただしあっせん制度を利用するには利用料金を支払う必要があり、料金は申立人の請求金額に応じて段階的に定められています。2090円(請求金額が100万円以下の場合)から52360円(5000万円を超える場合)の間の料金を負担する必要がある点は注意してください。

警察署|被害届の提出ができる可能性がある

FX詐欺の被害に遭った場合には、最寄の警察署に相談することができます。

現実にお金を騙し取られて被害が発生している場合には、被害届や告訴状を作成して提出することができます。

ご自身のケースが詐欺と言えるのかどうかわからないという場合には、「9110」をダイヤルすることで「警察相談専用電話」を利用することができます。

全国どこからかけても、ご自身の地域を管轄する警察本部などの相談窓口にかかります。

FX詐欺の被害にあったことが明らかな場合には、各警察署で設置している「犯罪被害相談窓口」に電話相談することもできます。被害者本人からの相談のみならず、家族や友人も相談することができますし、警察だけでは対応できない事案については、専門の機関などの紹介もしてもらえます。

警察に相談する際には一緒に被害届を提出するのが一般的でしょう。被害届を出すことによって警察が捜査を実施し、犯人逮捕につながる可能性もあります。

しかし、被害届を提出したからといって必ずしも受理されて捜査が進められるとは限りません

詐欺被害について証拠が全くない場合や、犯人の行方が不明の場合、被害金額が僅少であるような場合には警察も動いてくれない可能性があります。

どうしても警察に動いてもらいたいという場合には、告訴状を作成して提出するということもできますが、そのような場合には法律の専門家である弁護士にお願いして作成してもらうのがよいでしょう。

全国一斉投資被害110番|弁護士会が実施している電話窓口

「全国一斉投資被害110番」とは、各都道府県に設置されている弁護士会が実施している投資詐欺に関する電話相談窓口です。法的な救済が必要な相談者に必要な助言を行うことを目的として実施されています。

この電話相談は毎年2月中、午前10時から午後4時までしか実施されていません(通話料は相談者負担です)。

しかし投資詐欺に遭った場合に弁護士に直接相談することができる貴重な機会になるため是非活用してください。

実施予定についてはご自身が居住している都道府県の弁護士会のホームページや、先物取引被害全国研究会のホームページに掲載されているため参考にしてください。

FX詐欺の被害に遭っている場合にも全国一斉投資被害110番に電話相談することができます。

信頼できる弁護士|被害回復まで動いてくれるから返金にも◎

信頼できる弁護士に相談して依頼することもできます。

法律の専門家である弁護士に事件を依頼することで、FX詐欺の被害に遭った被害者がとるべき適切な法的手続きや対処法を知ることができます。

仮に警察による捜査の結果、犯人が特定され逮捕されたとしても自動的に被害者が騙し取られた現金が戻ってくるわけではありません。なぜなら刑事手続きは犯人に刑事罰を科すべきかどうかを判断するための手続きだからです。

したがって、加害者からお金を取り戻すには、不法行為に基づく損害賠償など支払い請求をしていく必要があります。弁護士に事件を依頼しておけば被害回復までのすべての手続きを任せることができるのです。

内容証明郵便で支払い請求をしたり、相手方と任意で話し合いの交渉をしたりすることも弁護士に任せることができます。

また弁護士に依頼した場合、詐欺の犯人の氏名・住所が分からないとしても、携帯電話番号などから弁護士会照会を利用して調査・特定できる場合もあります。

ただし、弁護士に依頼する場合には、着手金や報酬などの弁護士費用がかかります。被害回復できる見込みが少ない場合には費用倒れとなりコストに見合わない結果となる可能性があります。

そのような場合にはまず弁護士事務所の無料相談などを利用することで、ご自身のケースで被害を回収できる見込みがあるのか、弁護士に依頼すべき案件なのかどうかをチェックすべきでしょう。

FX詐欺の被害に遭わないためにできること

それでは、そもそもFX詐欺の被害に遭わないようにするためにはどのようなことに気をつけておくことが重要なのでしょうか。

ここでは詐欺被害に対して事前にご自身でできる5つの予防策を解説していきます。

金融庁の登録業者かどうかを検索しておく

投資・取り引きを行う前に、金融庁の登録業者がどうかをチェックしておきましょう。

金融商品取引行為を事業として行う場合には、金融消費取引業の登録が必要です。そのため無登録・無免許で事業を行っている怪しい業者は詐欺の可能性が高いです。

業者が登録等を受けているか否かについては、金融庁のホームページで確認することができます。

登録を受けた証券会社以外による株式や社債の売買は、原則として無効です。また登録を受けた業者でなければ広告・勧誘を行うことはできません。

FX(外国為替証拠金)取引についても業者は金融庁の登録を受けなければならず、また業者は顧客の求めがないにもかかわらず電話や訪問により取引の勧誘を行うことは禁じられています。

なお、金融庁や財務局の登録を受けている証券会社であってもその業者が信用できる会社であるとは限りません。登録を受けている業者であっても、元本保証や「絶対に儲かる」などと説明して勧誘する行為は違法です。

電話や訪問により強引に金融取引の勧誘を行ってくる業者や、取引のたびに顧客の財産状況を執拗に聞き出そうとするなど、業者の対応に疑問がある場合には、まずは登録事業者であるか否かを確認することが重要でしょう。

「簡単に」「誰でも」というワードに注意する

むやみやたらと高収益を謳う金融商品には手を出さないようにしておきましょう。

金融商品である以上一定のリスクがあるのは当然であるにもかかわらず、「簡単に」稼げる、「誰でも」儲けることができると投資を勧める業者や金融商品は避けるようにすべきです。

Fx取引や株式の売買などの投資を行う場合には、取引の内容やリスクについて業者から説明を聞き、自分で理解できてから手を出すようにしてください。

当然業者は金融商品を勧める側ですので業者の説明のみを鵜呑みにせず、過去の運用実績や運用コスト、直近利回りなどについて正確な情報をインターネットなどを利用して確認しておくことが重要です。

FX詐欺を含む、現金を騙し取られるほとんどのケースで、被害者は相手方が説明する内容について正確に理解していないことが多いです。

「誰でも」「簡単に」利益を出せるなどという、うまい話には必ず裏があると思っておきましょう。正確な知識や情報を持っていることが詐欺師に騙されないようにする最も有効な自衛策になります。

怪しい相手からのDMは無視する

怪しい相手からのDMは無視してください。

投資詐欺などの詐欺師はSNSやマッチングアプリを利用して、ターゲットになりそうな相手を漁っています。

特に異性を名乗る相手からのDMや、怪しい投資セミナーや有料ツールの購入を勧めるようなアカウントからのメッセージには返事をしないようにしておきましょう。

投資セミナーに参加された結果、高額な情報商材を消費者金融に借金してまで購入させられたというケースもあります。

また、株価の値動きや外国為替相場について未来を予測するという触れ込みでツールを勧められた結果、何の価値のないアプリを法外な値段で買わされたり、お金を振り込んだ途端に相手が音信不通になったりして返金も受けられないというケースも多数報告されています。

会ったことのない相手の情報は信じすぎない

投資でお金を動かす際には、あなたが持っている情報の出典・ソースが何なのかということは常に意識しておく必要があります。

投資詐欺の場合には、「上場確実」「必ず一定の分配金・配当金を受け取ることができる」などという情報を、会ったこともない第三者から得ている場合には要注意です。

常識的に考えて儲かる情報や一般的には公表されていない重要な情報を、意図もなくあなただけに情報提供するこということは考えられません。そのような場合あなたから現金を騙し取ろうとしているケースがほとんどでしょう。

したがって、会ったこともない相手から得た投資情報については、鵜呑みにしないように注意しておく必要があります。

外国人からの誘いや海外業者は避けるようにする

外国人を名乗る人物からの誘いや、海外業者を利用するのは避けるようにしましょう。

SNSや出会い系アプリを通じてが異性の外国人を名乗る人物とやり取りをするうちに、結婚・交際を申し込まれたり、FX投資への勧誘を受けて多額の現金を騙し取られるという「国際ロマンス詐欺」の被害が多数報告され問題となっています。

また海外に所在していると自称している業者が、金融商品取引法に基づく登録を受けずに日本国内の消費者に、FX投資などの勧誘を行いトラブルに発展していると金融庁も注意喚起を行っています。

悪質な業者になると、送金した現金について出金を拒否したり口座を凍結して高額の手数料を請求されたりという被害報告もあります。

したがって、外国人を名乗る人物からの勧誘に乗ったり、海外業者を利用したりしてFX投資などの金融商品取引を行うことは避けるべきでしょう。

まとめ|FX詐欺の被害にあったら信頼できる相手に相談して

この記事ではFX詐欺の被害に遭った場合に、相談できる窓口について解説してきました。まずは金融庁や警察が設置している公的機関の相談窓口を利用するべきでしょう。

適切な機関への誘導やアドバイスを受けることが期待できます。

そして、騙し取られた現金を取り戻したいと思っている場合には、信頼できる弁護士に相談することがおすすめです。

信頼できるかどうかは、FX詐欺などの詐欺事件の解決実績や取り扱いを専門的に行っているか否かをチェックすることが重要でしょう。

弁護士事務所のホームページに、投資詐欺に関する解決実績や解説コラムなどを多数掲載している弁護士であれば、豊富な知識と経験を期待することができるでしょう。